2012年8月24日金曜日

デンマルク国の話、その15

今、ここにお話しいたしましたデンマークの話は、私どもに何を教えますか。

 第一に戦敗かならずしも不幸にあらざることを教えます。国は戦争に負けても亡びません。実に戦争に勝って亡びた国は歴史上けっしてすくなくないのであります。国の興亡は戦争の勝敗によりません、その民の平素の修養によります。善き宗教、善き道徳、善き精神ありて国は戦争に負けても衰えません。いな、その正反対が事実であります。牢固ろうこたる精神ありて戦敗はかえって善き刺激となりて不幸の民を興します。デンマークは実にその善き実例であります。

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